ワインの容器には、さまざまな種類があります。
一般的にワインはガラス製のワインボトルに入っていますが、近年ではペットボトルや紙、缶といった容器を使用したワインも増えてきました。
そんな中、近年は大容量のワインをパッケージできる、バッグ・イン・ボックス(Bag-in-Box ※以下BIB)が世界的に注目され始めています。
その昔、BIBワインは安かろう悪かろうといったイメージが強かったものの、今BIBの高品質化が進んでいるのです。
今回、「CRAFT WINE SHOP」では日本人生産者が手がけるおすすめのBIBを紹介。BIBのメリットも併せてお伝えしましょう。
BIBの基礎知識
バッグ・イン・ボックス (Bag-in-Box)とは、Bag(プラスチック製の袋)をBox(紙製の段ボール箱)入れた容器のことで、ワインだけでなくさまざまな製品に使用されています。(ボックスワインとも呼ばれています)
BIBワインの場合、2から4リットルの容量が一般的と言われていますが、中には20Lを超えるタイプがあるなどサイズの幅広さも特徴です。
BIBの内袋にはポリエチレンなどの素材が使用されているためワインの品質を保つことができ、さらに箱型であるため輸送・持ち運びしやすいところもメリットとされています。
またBIBの下部には蛇口のような注ぎ口が付属しており注ぎやすい上に密閉度も高いため、長期間品質が維持されたワインを楽しめるところもポイントでしょう。
BIBワインを発明したのはオーストラリアのワインメーカーだと言われており、その発想をベースにした技術革新を経て、今日のような蛇口タイプのBIBが登場したと言われています。
BIBを選ぶべき理由
今、世界中でBIBが注目されています。
しかし冒頭でお伝えしたように、BIBに対して悪いイメージを持っている方は少なくないでしょう。
添加物などが大量に入っている、ほかの混ぜ物が入っているのか味わいに違和感がある、低質なワインを金にするための最終処分方法、品質云々でワインという名の液体をお客に提供するための飲食店用のアイテムなど、人によっては市販されているワインで最もランクが低い製品といった極端なイメージを持つ方もいるようです。
たしかに昔はそういったBIBもあったかもしれませんが、近年BIBの品質は格段に上昇しており、むしろ一般的に売られているワインボトル以上の品質のものも少なくありません。
BIBを選ぶべき理由を4つお伝えしていきましょう。
①品質本意になっている
BIBを選ぶメリットとして、BIBカテゴリが品質本意になってきていることが挙げられます。
今もなお世界には品質に首を傾げたくなるBIBもありますが、それからの脱却を試みるワインメーカーが多く、中身の質で勝負し始めているのです。
品種がわからない、“赤ワイン・白ワイン(風?)”といったもの、ワインの出自がわからないものでは現代の消費者はそのBIBに見向きもしません。
そのため、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネといった品種がわかるものや生産国やエリア、ワイナリーがわかるもの、さらにオーガニックを名乗るものまで存在します。
もちろん、赤ワイン・白ワインだけでなくロゼワインもありますし、甘口から辛口などタイプも自由に選ぶことが可能です。
そして、海外ではBIBの高級化のトレンドが顕著になりつつあります。
海外にはマスターソムリエが推奨する10,000円近くするBIBもあるほどです。
アメリカではワインを箱詰めするインフラが利用しやすくなっている背景から、小規模生産者も品質の高いBIBを生産するようになってきいると報告されています。
またフランスでは国内で販売されたワインの多くをBIBが占めているなど、世界的にビジネスチャンスがあるカテゴリとしても注目されている背景もあるようです。
ユニークなアイテムとして、四角ではなく上部に持ち手がつく円筒形のBIBも販売されているなど見た目にこだわるブランドも出てきました。
今やBIBは品質本意、クールな存在になりつつあるのです。
②保存性に注目
BIBは保存性の高さが特徴です。
BIBの外側は紙ですが、内側は低密度ポリエチレンなどの素材を層のように張り合わせているためワインを劣化から防ぎます。
ガラスボトルと違い光も入ってこない上に蛇口タイプなので酸素もほとんど入らず、ワインを新鮮な状態でキープできるメリットがあるのです。
もちろん開封した後、半永久的に品質を維持することはありませんが、一般的なボトルタイプのワインと比較しても3から4週間、長いものであれば1ヶ月は大きな品質の崩れなくワインを楽しめます。
毎日少量ずつワインを飲みたい、グラスワインをコスパよく提供したい業務店の方には嬉しいメリットと言えるでしょう。
③持ち運びしやすい(さらにエコである)
BIBは、持ち運びしやすいといったメリットもあります。
BIBの素材は軽量なので、ガラス製のワインボトルと比較すれば持ち運びしやすいことは一目瞭然です。
自宅でのワインパーティー時はもちろん、とくにBBQなどアウトドアシーンでのBIBでの活躍ぶりも目を見張るものがあります。
通常箱型で取手のついているものがほとんどなので、一人で大容量のワインを手軽に持ち運び可能です。
例えば、ワイン3.5リットルをBBQで利用しようと考えたとき、BIBならそれひとつ、ワインボトルであれば4本持ち運ぶ必要があるため負担に大きな違いが出ます。
さらにガラス瓶なので破損の危険性があり運搬用のアイテムが必要になるほか、飲み終わった後にその空瓶を持ち帰るとなると気が滅入るでしょう。
BIBは中身が空になれば折りたためる仕様であり(リサイクルも容易)、さらに多少残ってもワインの品質を気にせず自宅でまた楽しめます。
ちなみにBIBはワインボトルより軽量であるため、輸送の際の二酸化炭素排出量が減らせるといった地球環境に優しいといったエコ目線のメリットもあるようです。
④コスパが良く幅広いシーンで使える
BIBはコスパが良く幅広いシーンで使えるといったメリットがあります。
よりわかりやすく言えば、選べる容量やデザイン、内容が豊富であり、品質が高い上に安価といったメリットです。
BIBは上記でもお伝えしているように、赤ワインや白ワイン、ロゼワインなど色タイプを自由に選べる上に、2リットルから4リットル、10リットルなどシーンに合わせた容量を気軽に選ぶことができます。
品質重視、オーガニック、単一品種、産地など通常のワインを選ぶときの感覚で楽しむこともできるでしょう。
毎日の食事とともに、友人とのワインパーティー、BBQなどのアウトドア、料理酒としてちょっと使いたいといった際にも便利です。
そして何よりBIBのメリットはその価格帯でしょう。
高級化が進んでいるとはいえ、大容量がベースにある製品だけに一般的なワインボトルと比較すれば安価です。
こだわりの高級ワインも魅力的ですが、日常的にワインを飲む方にとって経済的にワインを楽しむアプローチは重要でしょう。
フレッシュで飲みやすく、本格的な複雑性も楽しめる手軽なワイン。
BIBを、ぜひチョイスしてみてはいかがでしょうか。
「CRAFT WINE SHOP」おすすめのBIB「KAZU WINE」
「CRAFT WINE SHOP」では、ワイン醸造家の日本人生産者 藤巻一臣氏が立ち上げた新ブランド「KAZU WINE」のBIBをおすすめしています。
自社畑やワイナリーを所有せず、世界に点在する友人たちのワイナリーでワインメイキングを行う、大変ユニークなワインブランドです。
BIBというと海外の巨大なワイナリーが手がけているイメージですが、「CRAFT WINE SHOP」では日本人生産者がつくる大変珍しく希少なアイテムを扱っています。
海外でワインをつくり日本でワインを売る、といった野望を抱き高品質なワインを私たちに届けてきた藤巻氏。
しかし昨年、円安、原材料、資材、輸送費高騰などの煽りを受け、納得できる品質・価格でワインを日本に届けることが難しい状況に陥ったと言います。
藤巻氏の手がける日本ワインよりも割高になる「KAZU WINE」、海外でもっと安くワインをつくる方法はないかと模索したそうです。
そんな時、友人のワインメーカーから、“スペインの友人がBIBをつくっているが興味はないか?”と声をかけてきたとのこと。
それをきっかけに、藤巻氏のBIBづくりがスタートします。
ひと昔前は品質とイメージがすこぶる悪かったBIBですが、今では品質重視のBIBが増えていることも藤巻氏を後押ししました。
ラ・マンチャのワイナリー施設の一角を間借りし、吟味されたオーガニックブドウを原料にBIB用のワインを3泊4日かけて仕込んだとのことです。
それから1年半後、ついに「KAZU WINE」のBIBが到着。
スペインの地ブドウを使った、白・ロゼ・赤の3種類が完成したのです。
それぞれしっかりしたアロマと果実味が感じられながらも、アルコール度数を抑え、クリーンで飽きのこない味わいに仕上げたとのこと。
容量は3リットルで、750mlのボトル4本分なので、毎日1杯、100ccずつ飲んだとしても1ヶ月間は楽しめます。
ここからは、そんな「KAZU WINE」のBIBを紹介しましょう。
KAZU WINE/KAZU MAX BLANCO 2022
ボトルワインと同様に吟味されたオーガニックブドウ(アイレン)からつくられた、BIB(白)。
外箱を自由にカスタマイズできるデコレーション用シール付きです。
ブドウを除梗し、圧搾後、果汁を澱引きし、ステンレスタンクで低温熟成させています。
りんご、熟した洋梨、バナナの香りが特徴で、フレッシュ感に振り切ったクリアな酸味も楽しめる品質の高い仕上がりです。
塩味と苦味も感じ、余韻も長いため魚介を使ったサラダなどにもおすすめ。
野生酵母による発酵、無濾過といったBIBのイメージを覆すアイテムです。
KAZU WINE/KAZU MAX BLANCO 2022 税込8,800円
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KAZU WINE/KAZU MAX TINTO 2022
白ワインと同様、スペインのオーガニックブドウ(テンプラニーリョ)を使用した野生酵母による発酵、無濾過で仕上げられた赤ワインのBIBです。
こちらも、オリジナルのステッカーが多数付属しています。
ぶどうを除梗し、圧搾。5日間のスキンコンタクト。
果汁をタンクに澱引きし、温度管理されたステンレスタンクで熟成させています。
シナモン、カシス、ラズベリー、なめし革の香りなど、複雑でスパイシーな香りが特徴的。
味わいも複雑でスケールが大きく、タンニンのなめらかさや上質なテクスチャーを感じられる仕上がりです。
スパイスを効かせた肉料理、和食であればたれの焼き鳥やすき焼き、味噌で漬け込んだ肉料理などとも合わせやすいのではないでしょうか。
KAZU WINE/KAZU MAX TINTO 2022 税込8,800円
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KAZU WINE/KAZU MAX ROSADO 2022
食卓、BBQシーンを盛り上げる美しいロゼワインのBIB。
オーガニック栽培されたアイレン、テンプラニーリョを原料に、野生酵母による発酵、無濾過にて仕上げられています。
それぞれの品種を除梗、圧搾、澱引きの後に、ステンレスタンクで熟成した後、ブドウをブレンドさせています。
梅、赤スグリ、クランベリーといったフレッシュなロゼワインらしい香り。
温度が上がるとカカオも感じられます。
酸味がありながらタンニンが柔らかくチャーミングな印象、強いミネラルや旨味を感じるため和食や中華、エスニックなど幅広い料理とのペアリングが楽しめそうです。
こちらも、デコレーション用シールが付属しています。
KAZU WINE/KAZU MAX ROSADO 2022 税込8,800円
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まとめ
日常使いはもちろん、パーティーやBBQなど幅広いシチュエーションで利用しやすいBIB。
高品質化、保存性の高さ、持ち運びのしやすさ、メリットの多いアイテムです。
ぜひ、これを機会にBIBをチェックしてみてはいかがでしょうか。