酒づくりが盛んな地域として有名な、富山県。
ひと昔前は、“富山と言えば日本酒”といったイメージが強かったものの、今や優れたワインを生産するワイン銘醸地のひとつとしても注目されるようになりました。
そんな富山県内で今、熱い視線が注がれているワイナリーがあります。
それが、「カタナワイナリー(KANATA WINERY)」です。
今回「CRAFT WINE SHOP」では、同ワイナリーの新作ワインを紹介します。
世界に比肩する珠玉のロゼワインをご賞味ください。
「カタナワイナリー」を知るためのポイント
「カタナワイナリー」は、富山県魚津市に位置する新進気鋭のワイナリー。
地域密着型企業である「株式会社 丸八」を母体とするワイナリーで、果樹栽培のスペシャリストと称される土井祐樹氏が栽培・醸造責任者を務めています。
「カタナワイナリー」を知る上で押さえておきたいポイントが下記の4つです。
- 「カタナワイナリー」の歴史と想い
- 「魚津の水循環」がもたらす稀有なテロワール
- 果樹栽培のスペシャリストが手がけるワイン
- 「昆布締め」に合うワイン
それぞれ解説していきましょう。
「カタナワイナリー」の歴史と想い
「カタナワイナリー」は富山県東部地域初となる、魚津のワイナリー。 同ワイナリーを手がけるのは富山県魚津市でLPガス事業を展開する「株式会社 丸八」で、同企業の前社長が長年取り組んできた地域の課題「耕作放棄地問題」を解決するために始動したプロジェクトでした。 約140年の果樹栽培の歴史と伝統を持つ魚津市の課題をワインで解決したい。 そして地元の郷土料理を、“止揚”させることを使命としたい。 そんな思いから、富山県氷見市の「SAYS FARM(セイズファーム)」から苗木を譲り受けるかたちで丸八の新事業、「カタナワイナリー」がスタートしたと言います。 その取り組みを知った土井氏(後の栽培・醸造責任者)がその話に感銘を受けて、同社にブドウ栽培についてさまざまなアドバイスを送りました。 ある日、土井氏は前社長からうちに来て欲しいとスカウトされ、カタナワイナリーが本格的に動き出したとのことです。 もともと地元で農業系事業を行ってきた前社長だけに、ワイナリーの源流はオーナー会社の、“DNA”に刻まれている。 その考えから、「クリエイティブな農業DNAで、果敢にチャレンジ」することがワイナリースタッフの指針となっています。
「魚津の水循環」がもたらす稀有なテロワール
「カタナワイナリー」が注目されているのは、“魚津市に初めてできたワイナリー”だからではありません。 すでに世界に比肩するクオリティのワインを生み出しており、それが何よりも魚津という類稀なるテロワールを表現しているからにほかなりません。 魚津市の特徴は海抜0mから標高2400m以上の立山連峰までが、奥行きわずか約25kmと急峻な地形で成り立つ産地。 富山県と言えば海が深いことで知られていますが、魚津の海は水深1000mまで続くため、それを加えればなんと高低差は3400mとなります。 また、多様な水経路で水が富山湾に流れ出ており、流れ出た富山湾の海水は蒸発して雲に、山々などに雨や雪となり降り、また海へと循環していく水の循環がひとつの街で循環している、世界的にも稀な地形をしているとのことです。 「カタナワイナリー」の自社畑は標高100mの丘陵地に位置しており、風通しが良いところが特徴。 さらに土壌は未熟黒ボク土とその下に粘土質の赤土、礫を多く含むといった水はけの良いユニークな組成だと言います。 ほど良く水分を保持し、不要な水は流してくれる。 降雨量の多い産地ながら果樹栽培のプロフェッショナルである土井氏の工夫により、難しいとされているヨーロッパ系ブドウ品種も質の高いものが収穫できると言います。 これら類を見ないワイン栽培地における特徴こそ、「カタナワイナリー」のワインが注目されている理由です。
果樹栽培のスペシャリストが手がけるワイン
「カタナワイナリー」を語る上で欠かすことができないのが、栽培・醸造責任者の土井祐樹氏の存在です。 元富山県庁の職員で、県農業水産部(現農林水産部)の富山農業改良普及所(現富山農林振興センター)に配属後、3年間稲作農家の指導を担当しました。 さらに、魚津市の果樹試験場(現果樹研究センター)に異動した後は果樹技術者として従事し、県内の果樹栽培家の指導をし続けてきた果樹栽培のプロフェッショナルです。 丸八の取り組みに感銘を受け、前社長から声をかけてもらったことをきっかけにワインづくりの道へ。 同氏は、自分でも全く想像していなかったと言います。 長きにわたる果樹指導の経験から富山県内各地の「果樹ビッグデータ」は脳内にインプットされており、その伝統の“果樹栽培の叡智”を全て注ぎ込み「カタナワイナリー」でワインづくりを行っています。 ちなみに醸造は、「独立行政法人 酒類総合研究所」にてワイン醸造講習を受講。 同氏はテロワール、そしてブドウのポテンシャルを生かしたワインづくりを大切にしています。
「昆布締め」に合うワイン
「カタナワイナリー」はワインそのものの品質を高めることはもちろん、その上で魚津の郷土料理「昆布締め」に合うワインを目指していると言います。 富山は古くより昆布文化を有し、“うまみ”と寄り添ってきた食習慣を持つ場所です。 同県では一般家庭においても昆布締めの技法が用いられていると言い、魚はもちろん野菜、鶏肉などさまざまな食材を昆布で締める習慣があります。 江戸時代から「うまみ」と向き合い続けた魚津の人びとのDNAが刻まれている魚津のワイナリーだからこそ、「カタナワイナリー」がうまみと向き合うワインづくりは必然だったとのことです。 魚津ならではのペアリング、魚津市民も楽しめるワイン。 そんなワインづくりを、「カタナワイナリー」は目指しています。
「カタナワイナリー」おすすめ新作ワイン
「CRAFT WINE SHOP」では、「カタナワイナリー」の新作ロゼワインを紹介します。
「うまみ」とよく合う魅力あふれるハイクオリティロゼとなっています。
カナタワイナリー/UMI Rose カベルネフラン 2024

美しいサーモンピンクの外観が美しいカベルネ・フランのロゼワイン。 “天然の生簀”と呼ばれる富山湾で水揚げされた魚介類とのペアリングをコンセプトに醸された1本です。 ラズベリーやチェリー、ハーブのアロマと爽やかな酸味が夏らしさを想起させます。 口当たりは柔らかく、後味に花のアロマを感じる華やかな味わいも特徴です。 まるで果実にかぶりついたようなジューシーさ、淡く塩味も感じさせる雑味のないエレガントなロゼワインに仕上げられています。 テクスチャーもあり、うまみがジュワッと口中に広がるため、魚津の海の幸との相性は抜群です。 甲殻系の海老や蟹などの魚介類がとくにおすすめですが、旨味エキスをたっぷりと含んだ昆布締めの鶏肉とも合わせたくなります。 もちろん、エビチリなどの中華との相性もおすすめです。
カナタワイナリー/UMI Rose カベルネフラン 2024(ロゼ)750ml
税込¥3,300
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まとめ
日本人が長年大切にしてきた、“うまみ”の文化。 そのうまみ文化をいつまでも大切に守り続けているのが、魚津市の人たちであり、その場所で誕生した「カタナワイナリー」は、日本ならではのワインの楽しみ方を提案できる数少ないワイナリーです。
“昆布締めに合うワイン”を目指し、うまみと向き合い続ける同ワイナリーの新作ワインを、ぜひこの機会に味わってみてください。