スイーツは、心と体を幸せにしてくれる“食べる宝石”のようなもの。 さらに、スイーツをコーヒーやティーと合わせることでその幸せは倍増します。
しかし、ワインファンが心の底からほしい幸せの魔法は、「ワイン×スイーツ」のはず。 今回、「Craft Wine Shop」ではワインとスイーツの組み合わせテクニックを紹介。また、スイーツに合わせてほしい日本ワインもお伝えします。

スイーツとのペアリングのベース
スイーツとは、甘いお菓子などの総称として用いられる言葉です。 日本では洋菓子店のケーキやプリンなどをスイーツと呼ぶ風潮がありましたが、今は洋菓子・和菓子問わず、ご褒美的な“甘い食べ物(食事ではなく、別腹枠)全般”といったイメージで捉えられています。
そのため、スイーツとワインのペアリングは、“甘い味の食べ物にワインを合わせる”ことになるため、本来難しいアプローチと言えるでしょう。
まず、スイーツとワインを組み合わせる際のポイントは2点です。
- ワインとスイーツどちらかの個性が主張されすぎないこと
- 甘さ・酸味などのバランスを重視すること
- 同調また補完させること
例えば、スイーツの甘さが際立ちすぎてワインがより渋く・酸っぱく・苦く感じる、ワインの香りや酸味、タンニンが主張されすぎてスイーツの魅力が減退するようなペアリングは避けましょう。 甘さや酸味のバランスを重視するポイントは上記を補完するようなイメージですが、スイーツとワインの甘さや酸味など、“要素(個性)”のバランスをあらかじめ理解したうえで合わせるといったイメージです。
そして、同調とは、具体的にレモンの香りがするワインと柑橘を用いたスイーツのように香りが共鳴することで違和感ないペアリングになること、補完とは例えばスイーツにワインのベリーのニュアンスが加わることで、スイーツにベリーソースをかけたように複雑性や余韻が向上するというポイントと捉えてください。 このポイントを踏まえたうえで、具体的なペアリングテクニックを紹介します。
スイーツに甘いワインを合わせるポイント
スイーツとワインを組み合わせる際、ワインは酒精強化ワイン(ポートワイン)などが使用されることが多いです。 世界的ワインの認定資格であるWSET(Wine & Spirit Education Trust)では、“ワインはスイーツより甘いものを選ぶべき”とされているようですが、「ワイン×スイーツ」をむずかしく考えたくないときは、このテクニックがおすすめでしょう。
例えば、チョコレート系の濃厚なスイーツとトゥニー・ポートの組み合わせは最高です。 ただし、フレッシュな果実をたっぷりと利用したスイーツやレモンなど柑橘を使用したスイーツ、ジェラートやジュレなどであれば、その限りではありません。 甘さが際立つワインは、甘さ由来のボリューム感があるため、濃厚なスイーツには合わせやすいですが軽めのスイーツだと甘さが際立ち過ぎてしまい、必ずしも成功とはいえない組み合わせになります。 甘いワインとスイーツを組み合わせる際は、お互いのボリューム感・ボディ感に注意してみてください。

風味・酸味のバランス
スイーツとワインを合わせるうえで重要になるポイントが、風味です。 風味は、その食物を口に入れた時に口内や鼻に抜ける香りや味わいのことで、ワインとスイーツの風味が調和しているかがペアリングのポイントになります。 ベリーを豊富に使用したスイーツの場合、辛口のロゼワイン、甘酸っぱいベリー系の香りが特徴のワインを合わせると同調しやすいでしょう。
一方で、ナッツやバターの濃厚な風味があれば樽熟成させたシャルドネ、ナッティーなニュアンスのイタリア・トスカーナ州の白ワインであるヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノなどはナッツのニュアンスがあるため合わせやすくなります。 バイナップやマンゴーなどを使用したスイーツは、トロピカルな香りが魅力的な南仏シャルドネやデラウェアとの相性もよいでしょう。 口中に広がっているスイーツの風味にワインの風味が心地よく寄り添うか、そんなイメージで合わせてみてください。
そして、酸味は同調か補完か、で考えます。 上記でお伝えしたように柑橘の酸味がおいしさのキーとなるスイーツであれば、爽やかな柑橘のニュアンスが感じられるステンレスタンクで仕込まれたシャルドネやフランス・ロワールのミュスカデ、やや甘さを残した甲州などもよいでしょう。 スイーツの特徴に酸味が加わったらどうなるか、同調するか不快に感じてしまうのか、それともすっきりさせてくれるのか、これら酸味とのバランスを考えながらペアリングに挑戦してもよいでしょう。
テクスチャーも考慮する
少々ハードルが高いですが、テクスチャーを意識してペアリングを考えてみてもおもしろいでしょう。 クリームブリュレやチーズケーキなどクリーミーなスイーツには、とろりとしたテクスチャーの甘口ワインや樽熟成タイプのリッチなシャルドネが合います。
一方、軽くふんわりとしたメレンゲなどにはシャルマ方式・ガス充填で仕込まれた柔らかな泡立ちのスパークリングワインがおすすめ。 しっかりとした泡立ちのシャンパーニュなどは、サクサク食感のパイ生地、マカロンなどと相性抜群です。 甘みと風味、酸味を考慮したうえで、テクスチャーも寄せていくことで至福のペアリングが楽しめます。
ワインとスイーツを合わせるうえで覚えておきたい豆知識
ワインとスイーツを組み合わせる際、覚えておきたい豆知識があります。
まず、余韻です。 ワインの香味余韻はスイーツより長く残りやすいため、余韻を合わせていくよりも心地よく引き継がれているかを意識しましょう。 スイーツの余韻が消えた後、心地よいワインの余韻がふんわりと続けているかチェックしてみましょう。
次に、食べ方での変化です。 例えば、スイーツによってはフルーツとパイ生地だけ食べる部分、それにクリームやソースが乗る部分など、食べ進める上でさまざまな構成を楽しめるものがあります。 さらにフルーツだけを食べるか、クリームを加えるか人によって食べ方も違うはずです。 これら食べ方の変化によるワインとのペアリングの違いも考慮すると、より「ワイン×スイーツ」が楽しめます。
最後に、ご自身の嗜好や食経験に寄り添うことも重要です。 例えば、同調するペアリングが合うと感じる人と物足りないと感じる人がいるかもしれません。 あえてコントラストを表現したペアリングを新しい発見と捉える人もいれば、不協和音と捉える人もいるのです。 ワインペアリングは考えすぎ楽しむことをおすすめしますが、ご自身の嗜好や食経験も大切なポイントなので、そちらも考慮してみてください。
CWSおすすめ!スイーツと合わせてほしい日本ワイン3選!
スイーツとワインのペアリングを知ってしまうと、その魅力から離れることができなくなります。 CWSでは、人生を豊かにしてくれるペアリングを体験させてくれる日本ワインを3選提案。 以前、開催された洋菓子と日本ワインを楽しむイベント「Pâtisserie Mane × 日本ワインの店 クラフトワインショップ」で組み合わせたスイーツとの相性を参考にご紹介しましょう。
大和葡萄酒/キュヴェ・ゼロ
山梨県の老舗ワイナリー 大和葡萄酒が醸すノンアルコールの赤ワイン。 良質なブドウから一旦赤ワインをつくった後、独自の脱アルコール製法にて仕上げたノンアルコールワインなので、本格的な香りや味わいを楽しめます。 果実味がしっかりと感じられる甘みのある味わいを、キレの良い酸が引き締める良質な1本ですが、長い余韻も本格的なワインそのもの。 おすすめのペアリングとして提案したいのが、パッションフルーツのジュレ/桃と白ワインのグラニテ。 氷菓の軽さとノンアルの軽さが同じ重量感でマッチします。 果実の甘みと酸が共鳴し、アルコールがない分すっきりと楽しめるペアリングです。 アルコール由来の骨格を、スイーツの脂肪・乳の力で補うペアリングがおすすめです。

大和葡萄酒/キュヴェ・ゼロ
税込1,980円
岩崎醸造/シャトーホンジョー アジロン
岩崎醸造の人気アイテム、シャトーホンジョー アジロン。 希少品種であるアジロンダックを使用した、ブルーベリーなどの黒系果実の香りにマスカットや木苺の甘美な風味を感じさせる1本。 優しい甘みが感じられるジューシーで親しみやすい味わいです。 おすすは、ピーチメルバ(フランボワーズのソルベ)のペアリング。 フランボワーズと木苺・黒系果実の赤果実香が直接共鳴する、魅力的な組み合わせ。 ヴェルヴェーヌのハーブ香がアジロンの果実味に奥行きを加える、至福のペアリングです。 シャトーホンジョー アジロンとスイーツを合わせる際、赤果実香で共鳴させ、タンニンは乳脂肪で柔らかく包むロジックで構成されています。

岩崎醸造/シャトーホンジョー アジロン
税込2,200円
千歳ワイナリー/ハスカップスイート
北海道の人気ワイナリー、千歳ワイナリーが醸すロゼ。 ハスカップと呼ばれるスイカズラ科の植物で和名をクロノミウグイスカグラを原料に、アルコール分を抑えた甘酸っぱくフルーティなやや甘口に仕上げられている1本です。 こちらも、ピーチメルバとの組み合わせを参考として紹介。 フランボワーズの赤果実酸とハスカップの酸が同系統で共鳴。ソルベの冷たさがワインの酸の鋭さをなめらかにするペアリングです。 強酸を受け止める脂肪・糖のクッションが必要な、コントラストのペアリングを意識しています。 酸が強めのワインなので、糖・脂肪のクッションを上手に活用しましょう。

千歳ワイナリー/ハスカップスイート
税込1,670円
まとめ
ワインとスイーツのペアリングは、私たちを幸せにしてくれる魔法のようなひと時を演出してくれます。 組み合わせには少々テクニックや知識も必要ですが、基本を押さえておけば、さまざまな組み合わせに応用できるためおすすめです。 ぜひ、この機会に「ワイン×スイーツ」の世界へ飛び込んでみてください。