日本のみならず世界からも注目浴びているワイン産地、長野県。
2013年に発表された、「信州ワインバレー構想」が話題を呼び、2023年からは「信州ワインバレー構想2.0」をスタートさせています。
そんな同構想に伴い追加されたエリアが、八ヶ岳西麓ワインバレーです。
原村・茅野市・富士見町が含まれるワイン産地で、質の高いNAGANO WINEが生産されています。今回、Craft Wine Shopでは原村エリアのワイナリー、「八ヶ岳はらむらワイナリー」を特集。
7月7日の七夕に飲みたい、素敵なワインを紹介しましょう。
注目の八ヶ岳西麓エリア
八ヶ岳西麓エリアは、長野県にとって新しいワイン産地です。
八ヶ岳西麓エリアは、「八ヶ岳西麓ワインバレー」と呼ばれており、それに含まれる原村・茅野市・富士見町の3つのワイン産地は八ヶ岳西麓ワイン特区として機能しています。
もともと原村がワイン特区を取得していたものの、構造改革特別区域計画の変更が令和5年3月31日に認定されたことにより、ワイン特区対象地域が茅野市と富士見町を加えた3市町村全域に拡大。
八ヶ岳西麓エリアには今回紹介する八ヶ岳はらむらワイナリーのほか、オレイユ・ド・シャ ビーナスライン醸造場や水掛醸造所、みね乃蔵、kifutato winesといったワイナリーが点在しており、今後世界でも注目されるワイン産地となることが期待されています。
八ヶ岳西麓エリアの特徴は、ブドウ畑が標高800mを超える冷涼な場所に点在していること、昼夜の温度差が大きく、さらに土壌も火山性土壌の黒ボク土、礫の多い水はけの良い複雑な土壌組成を形成しているなどワイン用ブドウにとって理想的な栽培地です。
ちなみに地球温暖化の影響で冷涼ながら、気温もちょうど良い理想的な状況に変化してきているとのこと。
八ヶ岳西麓エリアでは幅広いブドウ品種が栽培されています。
- シャルドネ
- リースリング
- ピノ・ノワール
- ゲヴェルツトラミネール
- ドルンフェルダー
- メルロー
- タナ
- ルカツィテリなど
八ヶ岳西麓エリアでつくられるワインの特徴はエレガントで繊細な酒質とシャープな酸味、品を感じさせる果実味など、世界のワイントレンドとも一致。
これから、どんな成長を遂げるのか楽しみなエリアです。
「八ヶ岳はらむらワイナリー」について
今回は、八ヶ岳西麓エリアにおけるワインづくりのパイオニアとも言える、「八ヶ岳はらむらワイナリー」を紹介します。
「八ヶ岳はらむらワイナリー」は、長野県諏訪郡原村の標高914mの高原に佇むワイナリー。
原村初のワイナリーとして2022年10月に開設された場所で、同村の土建会社「昌栄」が手がけています。
「八ヶ岳はらむらワイナリー」を知る上でのポイントは3つ。
- 醸造責任者 鎌倉氏
- 冷涼な気候ならではの品質
- ブドウの魅力を表現するワインづくり
それぞれお伝えしていきましょう。
醸造責任者 鎌倉氏
醸造を担うのは群馬県出身の鎌倉宏吉氏。
もともと、酒造会社の営業を担当していた同氏ですが、会社でワインアドバイザーを取得したことをきっかけにワインに強い興味を抱くようになったとか。
玉村豊男氏の著書でさらに感銘を受けたことから定年退職後、地元の原村でワイン用ブドウを栽培しようと考えていたところ父が他界。
“分もいつどうなるかわからない、体力のあるうちに夢を叶えたい”といった想いから早期退職、その後は千曲川ワインアカデミー6期生となりブドウ栽培や醸造の勉強を始めたと言います。
同ワインアカデミーを卒業後は、「信州たかやまワイナリー」で 2年間研修を受けている中、「昌栄」の清水昌敏氏と出会ったそうです。
原村でのワイナリー開設を目指していた清水氏は、鎌倉氏を醸造責任者として誘い、「八ヶ岳はらむらワイナリー」開設という夢を叶えたと言います。
もし、この時に鎌倉氏と清水氏が出会っていなかったら、今の「八ヶ岳はらむらワイナリー」は存在していなかったかもしれません。
冷涼な気候ならではの品質
「八ヶ岳はらむらワイナリー」の自社畑が位置するエリアは、冬は外気温がマイナス15℃にもなる寒地。
畑は地元の人が自由に使って構わないといった理由から引き継いだ田んぼだったそうで、水はけを考慮して傾斜化、栄養分のある表土を上に戻すなど畑づくりを行なったと言います。
最初に植樹したワイン用ブドウはメルローで、その後はシャルドネ やカベルネ・フラン、シラー、ソーヴィニヨン・ブランなど品種を増やしていきました。
冷涼産地の魅力はシャープな酸と果実味のバランスが優れたブドウを収穫できるところですが、一方で冷涼なことでブドウを完熟させるのが難しいといったデメリットがあります。
しかし、シャルドネなどの品種は完熟させることが可能であり、昼夜の温度差から酸も落ちにくく質の高いブドウが収穫できるとのことです。
香りの要素も多く、エレガントで繊細、なおかつ骨格のある世界クオリティのブドウが原村では収穫されています。
ブドウの魅力を表現するワインづくり
「八ヶ岳はらむらワイナリー」は、信州たかやまワイナリーの鷹野永一氏からのアドバイスで機能的かつ清潔を維持できる設備を整えているとのこと。
最新鋭の設備であることはもちろん、稼働後も掃除がしやすい設計です。
醸造所は息を呑むほど美しい状態であり清潔さが徹底されていることがわかります。
鎌倉氏はブドウ品種が持つポテンシャル、とくに香りや持ち味が表現されたワインづくりを目指しているとのこと。
酵母選びや熟成用の樽の種類に徹底してこだわるなど、鎌倉氏の良い意味で、“マニアック”な部分も、「八ヶ岳はらむらワイナリー」らしい味わいを生み出している秘訣です。
国際的なワインコンペティション「第11回サクラアワード(SAKURA Japan Women’s Wine Awards)2024」にて、「2022年 風巡るワイン Rose」がシルバーを受賞するなど、すでに品質の高さが注目されている、「八ヶ岳はらむらワイナリー」。
これから、どのようなワインが生み出されていくのか目が離せません。
七夕に飲みたいワイン
七夕にぜひ飲んでいただきたい「八ヶ岳はらむらワイナリー」おすすめのワインが、「星降るワイン」シリーズ。
同ワイナリーが位置する原村は、空気が澄んでいるため夜には満天の星が広がる『星降る里』と呼ばれています。
街明かりも少なく夜は暗く静かなため、よりロマンティックな空間が演出されているところも理由でしょう。
「星降るワイン」は、そんな原村が『星降る里』と呼ばれていることにちなんで名づけられたワイン。
織姫と彦星が1年に1度だけ天の川で会える日、七夕にまさにぴったりなワインではないでしょうか。
またこの日は天の川に見立てたそうめんを食べる習慣がありますが、「星降るワイン」はそうめんとの相性も抜群。
ワインペアリングも完璧にこなします。
ちなみに、7月7日の七夕の夜空には天の川、織姫星(ベガ)、彦星(アルタイル)が見られると言われています。
さらに七夕は日本のお祭り行事のひとつで、一年間の重要な節句である五節句のひとつに数えられているなど、日本人にとっても重要な日なのです。
では、下記でより詳細な「星降るワイン」シリーズのワインを紹介していきましょう。
八ヶ岳はらむらワイナリー/星降るワイン シャルドネ 2023
シャルドネを原料に仕込まれた、辛口白ワイン。
シャルドネらしいフレッシュな柑橘の爽やかなアロマ、はつらつとしたシャープな酸味など、アルコール度数は11%と控えめながらミディアムボディのテクスチャーを感じる素晴らしい仕上がりです。
原村の満点の夜空を彷彿とさせる、ラベルデザインがなんともロマンティック。
シャープな酸味と爽やかな味わいは、彩り豊かに仕上げた具材たっぷりのちらし寿司との相性が良さそうです。
八ヶ岳はらむらワイナリー/星降るワイン シャルドネ 2023
2,860円
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八ヶ岳はらむらワイナリー/星降るワイン ブラン 2023
産地の異なる2種類のシャルドネを骨格に、さらにそこにソーヴィニヨン・ブランを18%ブレンドしたユニークな辛口白ワイン。
ブドウ単体では現れない香りや味わいが重なり合う、複雑なハーモニーを楽しめる仕上がりです。
ラベルは星に見立てられたブドウがデザインしてあるなど、こちらもロマンティック。
心地よい果実の香りと柔らかな口当たり、うまみをしっかりと感じられるため幅広い食事と相性が良さそう。
七夕の日にそうめんを食べたいといった方は、こちらのワインをチョイスしてみても良いでしょう。
八ヶ岳はらむらワイナリー/星降るワイン ブラン 2023
2,640円
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まとめ
日本では珍しい標高の高さを活かした魅力溢れるワインが生み出されている、八ヶ岳西麓エリア。
中でも原村は質の高いブドウ栽培ができるエリアであり、新たな日本ワインとの出会いが期待できます。
「八ヶ岳はらむらワイナリー」は、八ヶ岳西麓エリアでもおすすめのワイナリーです。
七夕に合わせて、ぜひ「八ヶ岳はらむらワイナリー」のワインをチョイスしてみてください。