今、高品質なブドウが栽培できる、そして世界に比肩するワインを生み出すことができる産地として注目されているのが宮城県です。
近年、同県にもワイナリーが少しずつ増えてきていますが、今後注目を浴びるであろう場所があります。
それが、「Yuz farm & vineyard」です。
今回、「CRAFT WINE SHOP」では、「Yuz farm & vineyard」の「Route 113 Blanc 2023」を紹介。
日本ワインファンにぜひ飲んでほしい、魅力溢れる1本です。
「Yuz farm & vineyard」について
今回紹介する、「Yuz farm & vineyard」。
まだ、耳にしたことがないといった方も多いかもしれません。
「Yuz farm & vineyard」は2020年、代表である荒井謙(あらいゆずる)氏が故郷である宮城県に戻り、将来のワイナリー設立を目標に立ち上げたプロジェクトです。
2024年4月には同氏個人で4年間積み上げてきたものを次なるステップに向けて立ち上げた法人にて引き継ぎ、更なる発展へと向けて奔走しています。
「Yuz farm & vineyard」とは何か、より詳しく下記にてお伝えしていきましょう。
荒井氏について
「Yuz farm & vineyard」の代表であり、栽培醸造責任者である荒井謙氏は、1989年生まれ宮城県白石市出身。
前山梨大学ワイン科学研究センター長である高柳勉教授との出会いから、同教授指導の下、研究室を立ち上げ、ワインの研究を行う(白ワインに含まれる味関連成分とその相互作用)など学生時代からワインに携わる人生を歩んできた人物です。
その後は、長野県にある中規模ワイナリーに新卒で入社し、ぶどう栽培・ワイン醸造業務に従事、エノログを取得するだけでなく、職期間中、メーカーとしてワイン造りだけでなく、お客様に直接お届けする販売職や直営店舗での店長としての店舗経営にも従事するなどワインにおける業務を幅広く遂行していました。
最終的にはワイン醸造現場のリーダーとして、醸造管理、製品化業務に加え、新商品開発に携わるなど、幅広い分野で活躍してきた経歴を持ちます。
そんな荒井氏ですが、2019年に勤め先のワイナリー退職。
地元である宮城県に戻り、栽培適地を検討、父方の実家があり自身も馴染みのある七ヶ宿町にて、将来のワイナリー設立を目指して、ぶどう栽培(醸造用・生食用)開始し、現在に至ります。
「Yuz farm & vineyard」のあゆみ
荒井氏が選んだ栽培地は父方の実家があり自らがルーツを持つ宮城県七ヶ宿。
蔵王連峰の麓に位置しており、昼夜の寒暖差をはじめ、その場所特有の山間高冷地があるといいます。
2020年、耕作放棄地を開墾しワイン用ブドウを250新植、翌年はさらに300本新植しブドウを2年目で初収穫。
さらに2022年にはワイン用ブドウを900本新植したほか、町内唯一のりんご園を継承、2021年ヴィンテージの初製品のリリースを成し遂げます。
また同年に初の自園100%ワインへ、2023年に初の七ヶ宿町産100%の白ワインをリリースしました。
ちなみに同年ワイン用ブドウは約850kgを収穫、ピノ・ノワールも初収穫。
そして2024年にはワイン用ブドウを1550本新植、初の七ヶ宿産100%の赤ワインを含む5アイテムをリリースするなど、着実に歩みを進めています。
「Yuz farm & vineyard」とシードル
「Yuz farm & vineyard」の魅力はワインだけではありません。
上記で、“町内唯一のりんご園を継承”とお伝えしていますが、荒井氏の手がけるシードル用りんご・シードルは高い評価を獲得しており、2023年には自身初の出品となるJAPAN CIDER AWARDS (ジャパン シードル アワード)2023年テイスト部門にて、「Cider Brut 2022」が2つ星受賞、さらに初出品の国産コンクールFuji Cider Challenge2023年にはブロンズを受賞しています。
そんな「Yuz farm & vineyard」のシードル用りんごが栽培されている畑は、町内唯一のりんご園だった場所を荒井氏が継承した場所だったそう。
当時、後継者がおらず廃園になりかけていたりんご園を時間をかけて立て直した荒井氏。
現在、その圃場ではりんごだけで15品種以上もの品種が栽培されています。
また、荒井氏は将来に向けてシードルに向く酸の高い海外品種であるグラニースミスやロゼシードルのための赤肉りんごの最新品種(IHR17)の栽培を3年前から開始。
シードルに大切な酸を獲得するためりんごの小玉栽培や早摘みを実践するなど、生食用りんごではありえないアプローチを行っているところも特徴です。
また、「Yuz farm & vineyard」のシードルが高く評価されている理由のひとつに、荒井氏のシードル醸造における高い技術と豊富な経験があります。
長野県の歴史あるワイナリーでシードルの生産(年間5万本ほど)に携わってきた経験値、さらにそのシードルが国内だけでなく国際コンクールでも高く評価されてきた実績が今のシードルづくりに生かされています。
ワインとシードルを製造するワイナリーは少なくありませんが、その原料となるブドウとりんごの、“栽培”から行っているワイナリーは全国でも希少な存在です。
「Yuz farm & vineyard」が世界に名を轟かすシードルを生み出す日もそう遠くはないでしょう。
ワインだけでなく、ぜひ「Yuz farm & vineyard」のシードルもチェックしてみてください。
「Yuz farm & vineyard」の栽培品種
「Yuz farm & vineyard」では、垣根式栽培を中心に、生食用ブドウのみ棚式栽培を採用しております。
栽培品種も幅広く、これら品種がヴィンヤードにて丁寧に栽培されています。
- シャルドネ
- ピノ・ノワール
- ピノ・グリ
- ソーヴィニヨン・ブラン
- カベルネ・フラン
- リースリング
- メルロー
- シラー
- ビジュノワール
- マスカット・ベーリーAなど
そのほか、生食用ブドウではシャインマスカットやバイオレットキング、クイーンセブン、りんごは紅玉やサワールージュなど約15品種、桃はあかつきや川中島白桃などを栽培しているとのことです。
おすすめワイン「Route 113 Blanc 2023」
今回、「CRAFT WINE SHOP」がおすすめする「Yuz farm & vineyard」のワインが、「Route 113 Blanc 2023」です。
「Yuz farm & vineyard」が目指すのは、「畑からワインを造りあげ、グラスまでお届けする」、そんなワイナリーの設立。
「Route 113 Blanc 2023」は、まさに七ヶ宿のテロワールがグラスから伝わってくるような、洗練されたピュアなワインに仕上げられています。
「Route 113 Blanc 2023」のブレンド比率は七ヶ宿町産シャルドネ95%、ソーヴィニヨン・ブラン5%。
これら品種をゆっくりと低温発酵させて仕上げた、フルーティーな香りが特徴の白ワインです。
驚くのが、ソーヴィニヨン・ブラン5%がしっかりと存在感を示しており、ハーブやトロピカルフルーツといった香りを感じます。
桃のような有核果実や柑橘のニュアンスもさりげなく感じ、口当たりもまろやかで風味もジューシー、柔らかな酸やミネラルが骨格を形成しており、長い余韻も感じるハイクオリティな仕上がりです。
とにかく、“雑味”が見当たらない洗練された味わいであり、七ヶ宿のテロワールがもたらす爽やかな味わいなのかと思わせる、日本ワインファンにぜひ飲んでほしい白ワインに仕上げられています。
また、“日本ワインには、和食を合わせる”といったペアリングがセオリーですが、「Route 113 Blanc 2023」はもちろん和食に合うものの、少し洋に寄せた料理が合いそうです。
ハーブをたっぷりと使ったサラダや煮込み料理、肉であれば鶏肉や味付けが繊細な豚肉、魚介類もオリーブオイルをたっぷりと使ったものと相性が良いでしょう。
個人的には、豆を使った料理がとても相性が良いと感じました。
ひよこ豆のポタージュやシチリア風のたこと白いんげんの豆サラダなど、豆を使った料理とは最高の相性を示しそうです。
これから日本、そして世界的に注目されそうなワイナリーを探している、そんな方にぜひ飲んでほしい1本です。
まとめ
宮城県は、日本ワインにとって重要な産地です。
まだまだ新しい存在であるものの、その事実を「Yuz farm & vineyard」の「Route 113 Blanc 2023」が証明してくれています。
新しい日本ワインに出会いたい、応援したくなるワインに出会いたい。
そんな方は、ぜひ「Route 113 Blanc 2023」をおすすめします。
「Route 113 Blanc 2023」は、「CRAFT WINE SHOP」で販売中。
ぜひ、気になる方はチェックしてみてください。
Yuz farm & vineyard「Route 113 Blanc 2023」
税込3,740円
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