甘口ワインと言うとボルドーのソーテルヌやドイツ、オーストリア、ハンガリーなどが有名ですが、日本でも優れた甘口ワインが多く生産されています。
今回、「CRAFT WINE SHOP」おすすめの甘口ワインを3本紹介。 初心者からワインラヴァーまで、幅広い方におすすめしたい珠玉の甘口ワインばかりです。 ぜひ、日本の甘口ワインを探している方は参考にしてみてください。
知っておきたい甘口ワインの基本
甘口ワインと聞くと、糖分を添加したり甘いぶどうジュースを加えたり、添加物によって甘さをコントロールしているワインとイメージする方が多いかもしれません。 じつは、質の高い甘口ワインは上記のようなつくられ方ではなく、“自然の甘み”を残したワインです。 甘口ワインの製造方法は多岐に渡りますが、簡単に言えば下記のような仕組みで、ワインに糖分が残ったワインに仕上がります。
- ブドウ果汁の糖分を酵母(または天然酵母)が餌にしてアルコール発酵を開始
- 酵母がブドウ果汁の糖分を使い切る前に発酵をストップさせる
- 糖分が残ったままのワインが次の工程へと進められるため、甘い味わいのまま瓶詰めされる
そのため、甘口ワインには人口的な糖分が加えられているわけではなく、あくまで自然の甘みが残されているのです。 さらに、途中までは通常のドライなワインと同じ製法であるため、ブドウ由来の香りや酸味などもしっかりと感じられるところも特徴でしょう。 上質な甘口ワインはアプリコットのような甘い香りとなめらかな口当たりを持ち、甘さを感じながら骨格と酸味しっかりと感じられ、後味がすっきりしているなど高貴な味わいに仕上がります。
ちなみに、甘口ワインには糖度が高い、または高められたブドウが使用されることも多く、通常の辛口ワインよりもブドウが多く使用されることがあるため、高価なものも少なくありません。 余談ですが、ドイツの生産者Egon Müller (エゴン・ミュラー) がリースリングからつくる最高ランクの貴腐ワイン「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、オークションで1本300万円を超える価格が付けられたことでも有名です。(世界一高い白ワイン!)
甘口ワインは、数あるワインカテゴリーの中でも希少価値が高く、高貴な味わいの特別なワイン。 初心者の方はもちろんですが、辛口ワインを愛するワインラヴァーこそ、甘口ワインを楽しんでほしいと思います。
「CRAFT WINE SHOP」おすすめの甘口ワイン3選
ここからは、「CRAFT WINE SHOP」おすすめの甘口ワインを3本紹介していきます。 初心者からワインラヴァーまで納得の、品質の高い甘口ワインばかりです。
ルミエール/プレステージクラス ミルズ2024

明治創業の老舗ワイナリー、「ルミエール」が手がける甘口ワインです。 ルミエールと言えば、日本のワイン銘醸地、山梨県を代表するワイナリーのひとつ。 甲州やマスカット・ベーリーAはもちろん、ヨーロッパ品種からつくられるワインの質も高く評価されています。 「プレステージクラス ミルズ 2024」は、その名の通りミルズと呼ばれるブドウ品種を使用した甘口ワイン。 ワインは白ワインですが、なんとミルズは黒ブドウ品種であり、国内でも大変希少価値の高い品種として知られています。 ミルズは、マスカットハンブルグとクレベリングを交配したブドウ品種であり、以前は山梨県内で多く栽培されていたそうです。 しかし、繊細なブドウ品種であること、色づきが薄いことなどを理由に栽培農家は減少し、今ではごくわずかな量しか栽培されていないとのこと。 ルミエール4代目であった塚本俊彦氏は、ミルズの香りに惚れ込み約60年前に農家さんに栽培を依頼。 今でも華やかな香りとやわらかな味わいを活かすため、ルミエールでは黒ブドウの果汁だけを使用して白ワインを醸し続けています。(キャンディも製造されています) 「プレステージクラス ミルズ」は、同ワイナリーのミルズへの想いが詰め込まれた重要な1本で、ライチや洋ナシ、バラのような香りに、柔らかな口当たりが特徴です。 ミルズの華やかな香りをダイレクトに楽しめますが、口当たりが優しく軽快な印象で初心者でも飲みやすい仕上がり。 爽やかな酸味も残されているため、すっきりとした後味も特徴です。 香りが良く甘さ、酸味も感じられることから料理との相性も抜群。 和食全般に合わせやすい、フードフレンドリーなワインです。
ルミエール/ プレステージクラス ミルズ 2024
税込3,080円
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名護パイナップルワイナリー/パイナップルスパークリング サマースノー

日本最南端のワイナリーとして1992年に誕生した沖縄名護市のワイナリー、「名護パイナップルワイナリー」。 日本で初めて、「パイナップル」を原料としたことで知られるワイナリーで、南国のワイナリーらしくリゾートムード漂うフルーツワインを醸し続けています。 パイナップルと一口に言っても、香り高いものや酸味の際立ったもの、完熟した濃厚さを持つものなど、さまざまな特徴があるとのこと。 同ワイナリーでは徹底した品質管理のもと、パイナップルそれぞれの個性を引き出すワインやジュースを手掛けています。 「パイナップルスパークリング サマースノー」は、パイナップルを原料としたスパークリングワインで、色合いも黄金色でパイナップル感満載。 パイナップルは発酵中の炭酸ガスを保持しやすく泡持ちが良いこと、クエン酸が炭酸ガスとの相性が良いことからスパークリングワインとして製造された1本。 パイナップルのトロピカルな香りとシャープなクエン酸の酸味、そして甘みのバランスが良く、泡立ちも繊細でエレガントな仕上がりが特徴です。 ペアリングにおすすめの料理は、酢豚や生春巻き、エスニック系のサラダなど、アジアのフレイバーが感じられるものがおすすめ。 もちろん、スイーツとの相性も抜群なのでお試しください。 ちなみに、ワイン名の“サマースノー”はサンゴの産卵の様子をあらわした言葉とのことで、このワインの繊細な泡立ちにぴったりなネーミングです。
名護パイナップルワイナリー/パイナップルスパークリングサマースノー
税込2,640円
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これさとワイナリー/キャンベル・ロゼ

岡山県赤磐市是里産キャンベル・アーリーを100%使用した、贅沢な甘口ロゼワイン。 これさとワイナリーは、岡山県赤磐市に位置するワイナリーで、創業30年以上の老舗です。 是里地区は、ミネラルや鉄分を多く含む独特の赤土が特徴で、古くからその土壌組成を活かしたブドウ栽培が盛んだったと言います。 1985年、是里地区のぶどう農家たちが中心となり、付加価値を高めた特産ワインの醸造、販売を開始。 1995年には岡山農業公園・ドイツの森の中に醸造場を移転し、近代的な設備のもとで今もクリーンなワインづくりが続けられています。 自社畑の位置する場所は天空のぶどう畑と呼ばれる標高350mに位置しており、赤土と大きな寒暖差から質の高いブドウが育ちます。 これさとワイナリーは、自然を受け入れ、ブドウ本来のポテンシャルを活かしたフルーティーで香りの良いワインづくりをモットーとしているワイナリー。 「キャンベル・ロゼ」は、同ワイナリーを代表する1本で、赤磐の明るく晴れやかな気候風土が表現されています。 キャンベルアーリーらしい華やな香り、口当たりはどこまでも柔らかく、ブドウ由来の甘みもしっかりと感じることができます。 後味にはスパイシーさも感じられるなど、甘いだけではない引き締まった印象も魅力。 繊細な果実味とやわらかな口当たり、そして自然由来の甘さは中華やエスニック、和食全般に合わせやすく、幅広いシーンで使えます。 赤磐のテロワールが表現された、高品質なロゼワインを、ぜひ楽しんでみてください。
これさとワイナリー/キャンベル・ロゼ
税込2,420円
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甘口ワインで“口福”体験を!
上質な甘口ワインが私たちに与えてくれるのは、強い口福感です。 華やかな香りと優しい口当たり、ブドウ本来の甘みとシャープな酸味のバランスこそ、至福の時間を演出する要素にほかなりません。 ちなみに、甘口ワインの魅力はアルコール度数がやや低めなところ。 今回紹介したワインもアルコール度数が低く、アルコール度数が高いお酒が苦手な方でも安心して楽しめます。
- プレステージクラス ミルズ2024→8%
- パイナップルスパークリング サマースノー→9%
- キャンベル・ロゼ→11%
ご自身用にはもちろん、ギフトとしてもおすすめの甘口ワイン。
ぜひ、この機会にお試しください。