日本が世界に誇るワイン銘醸地と言えば、山梨県です。
山梨県は日本にワインづくりおいて長い歴史を持つ産地であり、同県産ワインは国内外のワインコンクールでも多数受賞歴をもちます。
今回、「CRAFT WINE SHOP」では山梨県のテロワールを大切に表現したワインを生み出している注目のワイナリーを紹介。
それが、「駒園ヴィンヤード」です。
“山梨には、まだまだおもしろいワイナリーがある”と思わせてくれる日本ワインファン注目必至のワイナリー。
ワイナリーの情報、「CRAFT WINE SHOP」おすすめのワインを紹介していきましょう。
駒園ヴィンヤードについて
駒園ヴィンヤードは、山梨県甲州市塩山藤木に位置するワイナリー。
山梨県といえば勝沼がワイン産地として広く知られていますが、同じ甲州市に位置する塩山も優れた産地です。
駒園ヴィンヤードとは、どんなワイナリーなのか。
歴史から栽培・醸造管理責任者 近藤修通氏が考えるブドウ栽培とワイン醸造におけるこだわりについて、こだわりを解説していきましょう。
駒園ヴィンヤードの歴史
駒園ヴィンヤードの歴史は、1952年に甲州市塩山藤木に五味果汁工業株式会社として創業したことに始まります。
その後、五味葡萄酒株式会社となり、「天地自然の理に寄り添うワイン造り」の理念のもと、山梨県産ブドウ100%でつくられたワイン、さらにビオロジック栽培にこだわるワイナリーとして注目されました。
その後、2019年に駒園ヴィンヤード株式会社を変更。
2015年より前身の五味葡萄酒株式会社で営業に携わっていた近藤修通氏が駒園ヴィンヤードの取締役社長兼、栽培・醸造管理責任者となり、今に至ります。
駒園ヴィンヤードの、「駒園」は創業以前より甲州を栽培する自社ブドウ園の字名で、現在も「天地自然の理に寄り添うワイン造り」の創業理念を継承しながら、この地ならではの味わいをワインで表現し続けています。
駒園ヴィンヤードのシリーズは大きく3つ。
- 「Pony」
- 「Tao」
- 「Cru Nishino」
「Pony」は、契約農家が丁寧に育てた山梨県産ブドウを100%使用したもので、気軽に日本ワインを楽しめるブランド。
「Tao」は、地域別に仕込んだシングルリージョンで、地域による品種個性を表現したブランドです。
そして、「Cru Nishino」は、南アルプス市で栽培したブドウから造ったワインで、契約の飲食店や専門店のみのお取り扱いです。
駒園ヴィンヤードの生み出すワインは品種、地域の個性がしっかりと表現された健全かつ洗練された高品質なものばかり。
ワイナリーの哲学は道を意味する「Tao」で、その名を冠するワインは国内外のワインコンクールで高く評価されています。
また、駒園ヴィンヤードは、“ブティックワイナリー”とも呼ばれる小規模ワイナリーだけに生産量が少なく、入手困難な銘柄も少なくありません。
世界に比肩するワインを生み出す駒園ヴィンヤードだからこそ、これから先もより注目を浴びることでしょう。
近藤修通氏とそのこだわり
駒園ヴィンヤードの取締役社長兼、栽培・醸造管理責任者が、近藤修通氏。
山梨大学認定ワイン科学士でもあり、著名な醸造家でもあります。
近藤氏のこだわりは、科学的なアプローチをできる限り行わずにその年の、その畑のブドウとの出会い「一期一会」を大切にすること。
ブドウ栽培においてはビオロジック農法でブドウ栽培を行い、「ブドウの個性を最大限に活かす」ことを目的にしたワイン醸造を行います。
ブドウ栽培へのこだわり
駒園ヴィンヤードでは、推定樹齢80年など甲州の古樹が点在する駒園のほか、川窪圃場、竹森圃場、西野圃場を保有。
土壌組成の違いはもちろん、標高差280mから620m(標高差340m)といった気候条件にも大きな違いが出る各圃場で育つブドウの個性を大切にしたワインづくりにこだわっているとのことです。
また駒園ヴィンヤードのユニークなところは、甲州にこだわるだけでなく、ブドウ畑の環境に合わせて欧州系品種、国内改良品種も栽培しているところ。
ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、ピノ・グリージョ、サンジョベーゼ、シラー、ビジュノワールなど、さまざまな品種が栽培されています。
また、南アルプス市に位置する西野圃場は標高が280mと、近年冷涼産地を求め標高の高い場所へ開墾するワイナリーとは違ったアプローチを行うところも同ワイナリーのこだわりのひとつ。
あえて標高の低い地域に圃場を開設することで科学的なアプローチに頼らないブドウの生育相と近年の気候変化に対応する、健全なブドウを収穫することを目的としています。
ワイン醸造へのこだわり
醸造についても、近藤氏のこだわりが光ります。
一般的にワインは、醸造家が目指すゴールを達成するために酵母を使い分けます。(ソーヴィニヨン・ブランであればパイナップルのようなフルーツ香を出しやすくする酵母をチョイスするなど)
しかし、駒園ヴィンヤードはあえてはニュートラル酵母の使用に統一し、使用するブドウの個性を大切にしたワインづくりを行っています。
産地、品種の違いによる搾汁方法、醗酵管理も変更なく、統一させるといったこだわりはほかワイナリーではあまり見られません。
酸化防止剤の使用も必要最低限に抑え、加熱殺菌処理も行わないなど、「天地自然の理に寄り添うワイン造り」の経営理念を守り続けたワインづくりを続けているのです。
世界の銘醸地のように、山梨のテロワールが世界で評価されるようなワインづくりをしていきたい、山梨県全体が世界から評価されるための一助となっていきたい。
それが、近藤修通氏のこだわり。
山梨県のテロワールを大切に表現する駒園ヴィンヤードのワインを、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
「CRAFT WINE SHOP」がおすすめする駒園ヴィンヤードのワイン3選
「CRAFT WINE SHOP」がおすすめする、駒園ヴィンヤードのワインを3選紹介します。
人気ワイナリーである駒園ヴィンヤードのワイン、ぜひ気になるワインを見つけた方はチェックしてみてください。
駒園ヴィンヤード/Tao 駒園甲州 2024
駒園ヴィンヤードの社名の由来でもある、自社ブドウ園駒園圃場の甲州種100%からつくられた白ワイン。
駒園圃場の標高は、460mで土壌組成は砂壌土、棚変形H短梢にて栽培された甲州が使用されています。
醸造はステンレスタンク密閉タンクで行なっており、アロマティックさと豊かな果実味が楽しめる仕上がりです。
口に含むとふくよかな果実味が口中に広がり果実の甘さも感じますが、切れ味鋭いシャープな酸味、甲州らしい苦味が後味に残る洗練された1本。
うまみがしっかりと感じられる甲州で、カツオだしや昆布だしなどだしの風味をしっかりと感じる和食と合わせたくなります。
ボディに豊かさを感じるため、洋食にも合わせやすい万能タイプの甲州です。
駒園ヴィンヤード/Tao 駒園甲州 2024
税込3,080円
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駒園ヴィンヤード/Tao Kawakubo ピノノワール 2023
笛吹川左岸に位置する川窪圃場で収穫されたピノ・ノワールからつくられた、赤ワイン。
川窪圃場は標高460mで砂壌土、秩父山系から吹き下ろす冷涼な風により昼夜の寒暖差が大きくピノ・ノワールなど欧州系ブドウにとって理想的な栽培環境です。
野苺など小さな赤系果実の香りやスパイシーさを感じる香り、アーシーなニュアンスを感じさせる洗練されたピノ・ノワール。
どこか野生的な雰囲気を感じさせるニュアンスがありながらも、日本ワインらしいピュアなニュアンスを兼ね備えた、ピノ・ノワールの新たな可能性を感じさせる1本です。
豊富な酸、タンニンもしっかりと感じられるため長期熟成も期待できます。
赤身のうまみがしっかりと感じられる肉料理や赤ワインヴィネガーやフルーツを使ったソース、近年人気の国産ジビエなど力強くうまみを楽しめる食材や料理と合わせてみてください。
駒園ヴィンヤード/Tao Kawakubo ピノノワール 2023
税込4,400円
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駒園ヴィンヤード/Tao 川窪ビジュノワール 2023
川窪圃場で栽培されたビジュノワールを使用した赤ワイン。
ビジュノワールは山梨県果樹試験場で交配された赤ワイン専用品種『(甲州三尺×メルロー)×マルベック』で、豊かな香りと柔らかさ、力強さのあるワインを生み出す黒い宝石を意味するブドウ品種です。
メルローやマルベックらしい黒系果実の香りやスパイシーさが感じられ、口当たりはとても柔らかく豊かな果実味が特徴。
果実の甘さを感じるものの酸味、タンニンから感じられる緊張感とのバランスが良い、洗練された印象の仕上がりです。
和食であればたれの焼き鳥やうなぎの蒲焼、すき焼きなど甘さを感じるたれを使った料理がおすすめ。
ミディアムボディなので脂身の多い牛肉や豚肉とも合わせやすく、さらに洋風に仕立てたまぐろやかつおなどの魚料理とも合わせやすいでしょう。
駒園ヴィンヤード/Tao 川窪ビジュノワール 2023
税込3,300円
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まとめ
山梨県のテロワール、そしてその土地で生まれたブドウ品種の個性がしっかりと伝わるワイン。
それが、駒園ヴィンヤードのワインです。
その年、その場所でしか出会えない「一期一会」を大切にしたワインづくりを行う駒園ヴィンヤードだけに、同じ山梨県産ワインの中でもまた違った味わいを楽しめます。
山梨県らしいワインとはどんなワインなのか。
その味わいを知りたい方は、ぜひ駒園ヴィンヤードのワインを手に取ってみてはいかがでしょうか。